6/8発売の小学館新書『働き方5.0 これからの世界をつくる仲間たちへ』/放送内容要約

<JFNラジオ「FUTURES 落合陽一RADIO PIXIE DUST」> 今回は出版された小学館新書『働き方5.0』についてお話しします。

放送内容

先日6/8、小学館新書『働き方5.0』が出版された。これは2016年に出版された『これからの世界をつくる仲間たちへ(以下、これせか)』をアップデートした内容。2016年当時の未来予想はほぼ当たってた。2020年の年明け前後に新書化の話をもらったが、その第一印象は「5年前の本を今さら新書化するの?」。そう思いつつ、普遍的な話も扱っているので、加筆して仕上げた。僕のことを知らない人に読んでほしい。コロナ禍で世界がデジタル化・リモート化されデジタルネイチャーの世界に近づいてきて、デジタルネイチャーをリアリティをもってわかる人が増えた。そういう人にも参考になる本だと思う。

落合さんにしては準備期間が短かったのでは?――3ヶ月で、現代に合わせて直した

すごく短かった。3ヶ月ぐらいで直した。今の時代に合わせて直さないといけない箇所が多かった。2016年と時代がずいぶん変わった。例えば、ポケモンGoが出た頃で、Uber Eatsがなかった。GANが出てきた頃で、ディープラーニングの話は今は古かったりとか。

2016年に『これせか』を出版した経緯は?――『魔法の世紀』の簡易版

2015年に『魔法の世紀』を出した。好評だったが「難しい」という反応。それでもっとわかりやすく『魔法の世紀』を解説した本を出すことにした。マイクロソフトで働いてた2014頃のブログがバズった。そのブログが『これせか』の元になっている。本来は中学生向けだったが、実際の読者はサラリーマンが多かった。なので新書化にあたり「働き方5.0」とした。

働き方5.0というタイトルはどういう意味?――Society5.0がら取った言葉

出版社の小学館からの提案されたタイトル。科学技術基本計画「Society5.0」から取った言葉。だが、Society5.0も、コロナの影響できっと違う指標が出るはず。働き方1.0狩猟採集社会、働き方2.0農耕社会、働き方3.0工業社会、働き方4.0情報化社会、働き方5.0 Society5.0、みたいな感じ。働き方5.0になると、デジタルネイチャーになって限界費用が下がる。

農耕(働き方2.0)と工業(働き方3.0)は、本質的には変わらないビジネスモデル。ある一定期間の計画を立て、計画に対してリソースを配分し、配分したリソースに対して労働が集約されていく。そこからどうやって逸脱したクリエイティブなものを限界費用を安く作れるかによって資本主義が加速する(働き方4.0)。そのおかげでリソースが多量に余り、人それぞれの多様な働き方に合わせて社会全体をデザインし返すことができる(働き方5.0)。スマートシティが実現する。

だが、コロナ禍でスマートシティの実現理由が真逆になった。最初は人々の利便性のためにスマートシティを作っていたが、今は公衆衛生と人々の安全を守るためにスマートシティを作っている状態。

働き方5.0を実現するには?――モチベーション高く生きよう

モチベーション高く生きること。人物像としては、自分でアウトプットしたいことがアウトプットができ、それがどこで実現でき、差別化できるかを分かっている人。僕自身が実践しつつある働き方か?――リモートワークになって随分、働き方5.0が実現できるようになった。朝7:00からミーティングが始まり、最後のミーティングが終わるのが24:30。ラテ欄のようなスケジュールになってる。「17時間半もデジタル世界にいたぞ」。でも取材も受け、学生と面談し、講演し、会社で働いてもいる。昔よりずいぶん生産性が上がった。

移動時間が無くなった。ブログを書きSNSにポストする時間がない。全集中している状態なので「休み方5.0」の方が大事かもしれない。

機械では代替できない人材「クリエイティブ・クラス」になるには?――5つの問いを自らに投げかけよう

クリエイティブ・クラスとは、米国の社会学者リチャード・フロリダの説いた言葉。また、米国の経済学者レスター・C・サローの『知識資本主義』という本からの着想(※注:『働き方5.0』76頁に詳述)。

クリエイティブ・クラスになるには、モチベーションが大事。自分がクリエイティブでどう尖るかを理解するのが重要。機械やシステムに代替できない能力(人を惹きつける能力等)を持つことが大切だ。通常そういう話が書いてある自己啓発本は、「好きなことをしよう」などと書いてある。この本ではそのスキルを「他人が到達しにくいか」「先人がなぜできなかったか」「その到達しにくいスキルはどこで得られるか」「そのモチベーションは何か」を質問形式で取り出すのを手伝う本になっているのがポイント(※注:『働き方5.0』101頁「5つの問いを自らに投げかけよう」に詳述)。

『働き方5.0』を誰に勧めたい? ――学生全般

まずは学生全般。リモートワーク等で働き方が変わって時間ができた人。「何をしたらいいか、このままでいいのか」と悩んでいる人にとって、生活を見直し新しいことを考えるきっかけになるはず。

ウィズコロナの状況下で、今までの本をアップデートして出版することが増える?――新しいコンテンツを作りたい

取材は三密を避けてオンラインでできる。今年も本は書いていこうとは思っているが、コロナ禍で本屋が閉まっている。通販はあるが「紙の書籍で出版」するのが正しいのか分からない状況。これまで取材して書き溜めたことが「ウィズコロナでその世界じゃなくなっちゃった」。それを「今さら出していいのか?」と億劫になる。本と言う形に縛られずに考えていきたい。

ブログは足が速くて良い。毎日状況が変わる中では、本は書きづらい。書き終わって発刊されるまでに1ヶ月はかかる。その勘に賞味期限が過ぎてしまう。今のビジネス書を書く著者たちはすごく困っているはず。『2030年の世界地図帳』(2019年11月発売)ですら、再版の度に注釈を入れ直している。コロナの状況下でどうなるかわからない統計データが非常に多い。3、4カ月スパンでアップデートするには本は向いていない気がする。その点、電子書籍は更新しやすい。アップデートではなく、新しいコンテンツを作っていこうと思っている。

YouTubeチャンネル始めました

YouTube「落合陽一録」を始めた。メディアに合わせて考えるのではなく、生の声を発信。今までは対談ばかり残ってた。自分のログを撮っていきたい。これまでログはtwitterに取っていたが使わなくなりブログになった。だがブログの速度感は、考えた後の言葉。頭から直接出てくる言葉を残したい。ラジオとドキュメンタリーの中間。ラジオは聞きやすい。動画は目で見ながら思考をトレースするような立ち位置。

このチャンネル以外は違法アップロード、見ないでね。

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3LAU(ブラウ) 「Touch」

Cash Cash(キャッシュ・キャッシュ)「All My Love」

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