これからの音楽・ライブ・コンサート/放送内容要約

<JFNラジオ「FUTURES 落合陽一RADIO PIXIE DUST」> これからの音楽・ライブ・コンサートについて。

放送内容

カミュ『ペスト』を読み返した(~4:10)。

音楽関係者らとコロナ騒動について話をした?――毎年のクラシック音楽会をどうするか

「今年の音楽会どうしよう?」と話をしている。コロナの状況下でクラシックコンサートをするのは大変。金管楽器・木管楽器があり、曲によっては合唱も加わる。濃厚接触や飛沫感染の恐れを考えると、2週間以内に感染していた人は参加できないか?感染防止のためにソーシャルディスタンシングを取った配置をしようにも舞台の上に収まらない。

コロナ禍のライブのあり方は、コロナ以前のライブのあり方とずいぶん変わったあり方になるだろう、と話している段階。例えば、テレプレゼンスで伝えるためにオーディオ・ビジュアルをどう使うか。テレコミュニケーション、新しい配信の仕方をどう考えるか。都市はどう変わっていくか、そんなことを皆考えるわけだが、それはしょうがないからそこじゃないところな気がする。つまり、現状の連続点にある社会変革ではない社会変革を考えていかないといけない。音楽をやるにしても研究とのギャップをすごい考えている。

新しいライブの形とは?――ファーストクラスVSリビングで考える

パッケージとしての音楽CDが売れなくなった。ライブやフィジカルな場のグッズ販売等を収入源にしているミュージシャン・アーティストにとって、かなりしぶとい問題になった。ただでさえ音楽で食えなくなってきていたのに、ライブまでなくなったらどうやって食っていけばいいだろう?YouTubeの再生回数は、個人で生きていくにはいいがバンドが生きていくには足りない。

では、具体的にどうすればいいか?前回のラジオでも話したが「ファーストクラスVSリビング」(※2020/04/15WEEKLY OCHIAIのまとめで出たフレーズ)で考えてみよう。ファーストクラスで来てくれる人からより多くのお金を取るしかない。つまり数人に向かって音楽を届ける。一方、動けないマス(リビング)に対しては、ライブよりも多くの人に届くような、ライブ感と付加価値のあるデジタルを発行する。「人の流れは止まっているが物流は止まっていない、かつデジタルは元気」ので、色々な方法が考えられる。ライブグッズ(例:Tシャツ)とセットにしてオンラインライブを売る等。デジタルの解像度が不完全な中で、どう付加価値を高めていくか?ライブ配信の方はライブの解像度は出せないが、盛り上げるための方法を考えないといけない。体調チェック、集まる人数を少なくする、リモート観覧者への付加価値をあげなければならない。これは一気に業態が変わるチャンスではある

リモートで提供する際に、YouTubeのスーパーチャット、SHOWROOM(ラジオ配信アプリ)のギフト、投げ銭等の収益の上げ方が考えられる。それは結局、ライブのもぎりをしていた人にとってはただ単に中間搾取される回数が増える、余計な営業コストが増える――結局、大手プラットフォーマーが儲かる。とは言え、サブスク型・投げ銭型・チケット型をしばらくはやっていくしかないだろう。元々ライブコンサートは容積を詰めて使うので、1席間隔空けて箱を借りるとそもそもペイしない。抜本的にデジタルを使っていくしかない。本格的なVRの普及になるかは分からないが、少なくともオーディオ(聴く音が良い)・ビジュアル(目で見る解像度が良い)の配信クオリティは上げていかなければいけない。それをやっていく会社がまずは勝つだろう。

他にもできることと言えば。客がソーシャルディスタンシングを保った状態でライブやパフォーマンスを見られればそれはそれで成立する。2m間隔で並べたら何人入るのか再三計算しているが、いまいちペイしない。1席あたりのチケットの値段を高くしないといけない。離れた状態で客が並んでいるが臨場感を出せる仕組みが必要。例えば、1席ごとにオーディオを付ける、ライティング、歌手が客席で何らかのパフォーマンスをする等、今までとは違った価値観が出てくるだろう。そこを何個もプロトタイピングしてうまくいったものを取り出していく、ということをしないとうまくいかないだろう。

コミュニティーを維持運営するコミュニティマネージャーが不可欠

だとすると、今まで以上に強固にファンとの関わりを築くことが必要。例えば、オンラインサロンや定額の配信など、客と定期的にコミュニケーションを取る人材が必要。つまり、コミュニティを維持して運営して、客とコミュニケーションを取って、その企業自体を好きになってもらう活動をする、コミュニティマネージャーがいないと、コミュニティーの運用は難しい。そのコミュニティーを維持することが、音楽やパフォーマンスを支えることになっていく。そういったことを今は考えていかないと、単発の箱モノや単発の歌モノでは生きていけなくなっている。より音楽が衰退してしまうと、音楽を聴くいちファンとしてはすごく悲しい。

長い目で見るとコロナ危機によって良い方向に向かう

長い目で見れば、良い方向に進むだろう。例えば、デジタルを入れたり、離れていてもコミュニケーションや経済活動を行えたり、付加価値の付け方が変わりGDPを稼げたり。だが、「長い目で見た変化に適応する長い時間が各個人には意外と無い」点が問題。つまり、1~2年の間に結論を出してやっていかないといけない。他人のネタをパクるのは今まで良くないと言われてきたが、パクって試してパクって試してを皆が繰り広げないとトライ&エラーがうまく終わらない気がする。著作権・ビジネスモデル・特許なりを改正しないと意外と広まらないのでは。

理想としては、家にいればライブが見れて、行きたい時は現場に行けて、複雑性を楽しむ時とコンテンツを楽しむ時と、2種類あればいい。2種類のバランスを取る必要があるが、ウィズコロナで一気にデジタル側に倒れてバランスが取られていくだろう。つまり今までは「アナログをデジタルでどう強化するか」というバランスで成り立っていた。デジタルがほとんど成立しなくなって、そのデジタルじゃないところをアナログで、でもアナログと乖離されたデジタルはデジタルで、その2つが全然違う価値観で同時に存在するようになる。その2つは共存するのが難しいように見えるが、「ファーストクラスとリビング」――物好きに見えるかもしれないがファーストクラスに乗る人はいて、それとリビングに乗る人との橋渡しってどんな形をしているのかなって言うのを考えていくのが重要。今までライブやパフォーマンスが重要で面白いと言われてきたが、そうではないデジタルだけの付加価値でチケットを売ったり稼いだりできないとしばらくの間は厳しい。だが、コンテンツを持っている人にとっては、コンテンツの配信の仕方や客との出会い方を密にしていけばいい話。それ以外のことは時間的に厳しいのかなと思っている、ただ長期的に考えればそういうコミュニティを作った人の方が後々うまくいくんじゃないかなと思うので、本当は良き方向にアップデートして行けるのではと思っている。

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